シリンダ
シリンダのボア・ストロークが同じ商品がありますが、どれを選定したらよいですか? また、使い分けはどうしたらよいですか?
K1シリーズは基本的なシリンダ構造で、タイロッド型とも呼ばれています。タイロッド固定ナットを緩めることで分解が可能で、メンテナンスも容易に行なえます。
J1シリンダは省スペースを目的としたカシメ構造のため,カバーとシリンダチューブの分解ができません。
シリンダで最も消耗する部分はパッキンですが、パッキンの交換ができないため、このパッキン寿命がそのままJ1シリンダの製品寿命と言えます。
つまり、過酷な条件下でメンテナンスの機会が予想される箇所にはK1シリンダ。
使用頻度が少なく、なるべくコンパクトに装置設計したい場合にはJ1シリンダをお奨めします。
シリンダ
シリンダの中間ストローク(規格外)はどうやって製作するのですか?
カタログ外ストロークの製作方法は、製品シリーズによって異なります。通常はストローキングと言って、シリンダチューブ、ピストンロッド、タイロッドを適当な長さにカットして製作します。
この場合、部品点数はカタログ製品と変わりありません。
フラットシリンダのX1シリーズは、基本的にストローキングをせず、カラーをピストンロッドにはめて対応します。よって、シリンダチューブ全長はカラー挿入前のカタログ品寸法と同じになります。
Z3シリーズ複動の場合は、5stから5mm飛びでストローキングにより製作します。
5で割り切れないストローク及び単動の場合はカラー詰となります。
シリンダ
シリンダの中間ストロークカラーはピストンのロッド側・カバー側どちらに入りますか?
シリンダの中間ストローク用カラーは、ピストン部よりロッド側に入ります。
シリンダ
シリンダの使用環境が高温になります。耐熱仕様は製作できますか?
受注生産でふっ素ゴム仕様のシリンダが製作可能です。(周囲温度120℃まで対応)
ただし、ふっ素ゴムはニトリルゴム(NBR)に比べて耐摩耗性能において劣るため、耐用期間が短くなる傾向にありますのでご注意ください。
シリンダ
シリンダの低速仕様はカタログ品とどこが違うのですか?
シリンダの低速仕様は、潤滑用グリースが標準品と異なります。
グリースはリチウム石けん基からふっ素系グリースに変更します。
低速仕様シリンダで“ふっ素系グリース”にする理由は、その他のグリースよりも、静摩擦から動摩擦に移行する際の抵抗(粘性)変化が少ないためです。
シリンダ
シリンダのバッファ機構はどんな場所で使われているのですか?
シリンダ前進時に駆動部とワークが接触する用途で、緩衝機能によってワークやシリンダを保護する機能です。ピック&プレースユニットなどで使用します。
シリンダ
単動シリンダで配管ポートが2ヵ所のものがありますが、呼吸穴の方は何も接続しなくてもよいですか?
単動シリンダの場合、スプリング側は小さな呼吸穴があいているだけ、またはフィルタが組込まれているので何もしなくても大丈夫です。
ただし、使用環境にダストが多い場合はゴミの吸い込み等が考えられますので、接続ポートがある製品にはエアマフラやフィルタを取り付けていただく事をお奨めします。
シリンダ
シリンダを水のかかるところで使用したいのですが、ジャバラ付にすれば大丈夫ですか?
ジャバラには呼吸穴があります。
水のかかる場所ではジャバラ内に水を巻き込んでしまうため使用できません。
別途カバーなどの保護対策が必要です。
ジャバラは粉塵には効果がありますが、液滴には不向きです。
強力スクレーパ仕様もございますので別途ご相談ください。
シリンダ
シリンダのジャバラ材質はなんですか?
ジャバラの材質は耐熱温度ごとに3種類をご用意しております。用途に合わせて選定してください。
・ナイロンターポリン : 80℃(耐薬品性が高く、標準設定)
・クロロプレン : 100℃
・コーネックス : 200℃(耐熱アラミド繊維)
※コーネックスは帝人株式会社の登録商標です。
シリンダ
ツインロッド形・タンデム形シリンダの推力は、単純にボア径の2倍と考えてもよいですか?
ツインロッド形・タンデム形シリンダの推力は2倍で考えて下さい。
また、ツインロッド形は2本のロッドをプレートで連結しているため、回り止め機能も持っています。
シリンダ
標準型シリンダでは、どのくらいの速度まで低速で動かすことができますか?
シリンダの動作速度がおよそ50mm/s以下の場合は、低速シリンダまたはエアハイドロ仕様の検討をお願いします。
製品ごとの詳しい仕様については、カタログの「使用ピストン速度」をご参照ください。
シリンダ
シリンダのエアハイドロ仕様と油圧シリンダはなにが違うのですか?
エアハイドロ仕様と油圧シリンダは、どちらも使用流体として油圧作動油を使いますが、エアシリンダの特殊仕様として油を使用できるようにしたものがエアハイドロ仕様です。
よって、エアハイドロ仕様の使用圧力範囲は空気圧シリンダと同じです。
油圧シリンダは高圧ですので使用圧力範囲がまったく異なります。
シリンダ
J1シリンダのパッキンセットはなぜロッドパッキンだけしかないのですか?
J1シリンダはカバーとチューブをかしめて固定しているため分解ができません。
ロッドパッキンだけは外部から交換が可能です。
シリンダ
J1シリンダの回り止め仕様の指示形式はなぜカバー側(ヘッド側)固定がないのですか?
J1シリンダの回り止め形をカバー側で固定すると、ピストンロッドに回転方向の負荷が掛かってしまった場合に、カバーがずれてしまう可能性があります。このため、カバー側固定は製作できません。
シリンダ
標準形のエアシリンダを水中で使用することはできますか?
エアシリンダの構造は、外側からの水圧に耐える構造にはなっておりません。
水深が深くなるにしたがって水圧が高くなりますが、その水圧により,シリンダ内部へ徐々に水が浸入し、ロッド引の動作をしたときに、水をシリンダ内部に引き込んでしまうことが考えられます。
その他に水中用は防錆対策も必要になるため、標準形エアシリンダを水中で使うことはできません。
シリンダ
水中シリンダとは,標準形エアシリンダとは何が違うのですか?
水中シリンダは、水圧による水の浸入を防ぐ構造になっています。
水深が浅い場所で使用する場合は、ロッドパッキンを対向させて2個挿入及びダストワイパーを追加して圧縮空気による内圧と水による外圧の対策を行います。
水深が深い場合は、さらに対向させたロッドパッキンの間の部屋にパージポートを追加します。
そこに内圧を加えることで水の浸入を防止します。
シリンダ
シリンダストローク端での衝撃を、クッションだけで吸収しきれない場合の対処方法はありますか。(ストロークエンドで大きな衝撃音がでる。)
シリンダへの負荷が大きく動作速度が速いときは大きな慣性力が発生します。
ピストンがカバーに衝突すると、シリンダが破損することがあるため、エアシリンダは大きな運動エネルギ及び慣性力を吸収するゴムダンパまたはエアクッションを内蔵しています。
エアクッションは空気の圧縮性を利用し運動エネルギを吸収する方式で、クッションストロークで吸収エネルギが決まります。負荷が大きく、かつ動作速度が速いときはエアシリンダの内蔵クッションだけでは衝撃吸収が困難になることがあります。
その場合にはクッション手前で減速する制御回路にするか、またはショックアブソーバを併用してください。
シリンダ
装置起動時にシリンダが飛び出してしまう。
シリンダ中間位置停止後,動き初めに飛び出してしまう。
3位置エギゾーストセンタ形の電磁弁でエアシリンダを駆動する場合や、回路残圧排気後の起動時など、エアシリンダ内の空気が排気された状態からピストンの片側に加圧すると、ピストンロッドが高速で飛び出すことがあります。このような場合には、一度排圧側にエアを供給する、または飛び出しを防止する制御回路設計をしてください。
シリンダ
シリンダを中間停止させているが、停止した位置から(時間が経つと)動いてしまう。
3位置クローズドセンタ形の電磁弁でシリンダの中間停止を行う場合、空気特有の圧縮性により、正確な位置停止の保持は困難です。
また、電磁弁やエアシリンダは若干の空気漏れを許容しているので、長時間の停止位置の保持はできません。これを改善するひとつの方法として、パーマストップによる回路の設計をご検討ください。
シリンダ
シリンダのブッシュ(軸受)材質について知りたい。
シリンダのブッシュには焼結含油軸受を一般的に使用していました。
しかし、コスト高であることを理由に、近年のカタログ商品ではアルミ合金軸受に切り替えております。
コスト高の焼結含油軸受ですが、アルミ合金に比べて摩耗に強いことから、高負荷環境下ではメンテナンスサイクルを長期化することが可能です。
ご要望により、焼結含油軸受への変更も行っていますので、お問い合わせください。
シリンダ
2段シリンダのストローク調整仕様は製作できますか?
オーダーメイドにて製作可能です。
構造は以下になりますので、仕様を確認のうえ,ご相談ください。
シリンダ
ロック付きシリンダのロック位置について知りたい。
ロック機構は、シリンダのロッド側とヘッド側(カバー側)から選べます。
ロッド側ロックはピストンロッドがすべて出たときにロックがかかり、ヘッド側ロックはピストンロッドが戻ったときにロックします。
なお、ロック機構は精密位置決めの目的では使用できません。
ロッドレスシリンダ
ロッドレスシリンダのバンド材質は何ですか?
ロッドレスシリンダのバンド材質は以下のとおりです。
・シールバンド : ポリウレタン
・カバーバンド : ポリアミド
ロッドレスシリンダ
ロッドレスシリンダの寿命はどのくらいですか?
公称として総ストローク3000km〜5000kmになっています。
なお、この数値は性能を保証するものではありません。
ステンレスシリンダ
ステンレス製のシリンダやエアモータを,硫酸や塩酸がかかる場所で使用しても良いですか?
ステンレス製シリンダ及びエアモータは、食品などの衛生的な用途でお使いいただけるように設計しています。
洗浄時の弱アルカリなどは問題ありませんが、薬品でのご使用を推奨するものではありません。
なお、特殊品の製作実績として、半導体設備向けにシリンダチューブ外側に耐薬品樹脂カバー、ロッドにテフロンコーティングを施した製品がございます。
ただし、外部からの飛沫対策として製作したものであり、内部浸入を考慮した設計にはなっておりません。
ショックアブソーバ
ショックアブソーバはどのような場合に使用するのですか?
基本的な考えとして、シリンダ等で発生する衝撃を吸収させるときに使用します。
なお、ショックアブソーバは防振用には使用できません。
スイッチ関連
センサスイッチの有接点と無接点の違いはなんですか?
有接点スイッチは接点部分にリードスイッチを使用しています。
無接点スイッチはリードスイッチの代りに磁気抵抗素子を内蔵しているもので、(物理的な)接点が無いため無接点と呼んでいます。
それぞれの特徴は、有接点スイッチの場合、機械式接点を持っていますので耐久回数に限りがありますが、2本のリード線のため配線が簡単に済む利点があります。
無接点スイッチは、機械的な接点ではないため可動部が無く、半永久的に使用でき、信頼性も高いのですが、電源と接点で3〜4本のリード線を配線することが必要です。
スイッチ関連
無接点スイッチ3線式を2線式に変更したいのですが、何かデメリットはありますか?
2線式の無接点スイッチは、電源線と信号線を共有しているために、常に信号を受け取る側に「漏れ電流」が流れてしまいます。このため,2線式スイッチを直列に数個並べると、漏れ電流が積算されて受け取る側では、常に接点がONしていることと同じ状態になることがあります。
また、2線式スイッチは内部降下電圧も大きいため、ご使用時には注意が必要です。
スイッチ関連
シリンダ取付位置の都合で、スイッチの配線長さが5m以上になってしまいます。
何か問題はありますか?
スイッチ本体と負荷までの配線が長いと、配線自体の容量によりスイッチON時の突入電流が増大し、スイッチの破損または著しい寿命の低下が生じます。
接点保護回路付きのスイッチを選定するか、保護回路を設けてください。
なお、接点保護回路付きのスイッチでも30mを越える場合は、弊社までご相談ください。
スイッチ関連
NPNトランジスタ出力と、PNPトランジスタ出力の違いは何ですか?
NPN出力は日本で一般的な方式で、ヨーロッパではPNP出力が主流です。
NPN出力は24Vのプラスコモン、PNP出力は0Vのマイナスコモンになっています。